カタルーニャ農家に嫁いだあっぱれ小僧 |
by TessinS
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カタルーニャでパジェスと言えば、昔から代々継続している伝統で、一つのすぐれた文化と言えると思う。
昔からカタルーニャには、長男(エレウ、と言う)が農家や所有地を継ぐといったシステムがあった。他方スペイン各地にはそれぞれ色々なシステムが導入されていて、たとえばガリシア地方へ行くと土地を息子、娘の頭数で分配していくといった具合だ。 長男=エレウが継ぐカタルーニャでは結果として土地の分割が無いわけで、大土地を所有する家系が守られることになる。 その大地主独立農家が<パジェス>といわれるものだ。 彼達にどれ位の土地を持っているかと聞くと、『山一つか二つ』とかいう答えがかえってくる。 カタルーニャ自治体の大統領なども、実家がパジェスという場合が多いように、パジェス達が今までのカタルーニャを築きあげてきたのだ。 カタルーニャ文化は、パジェス文化、といってもおかしくないのだ。 日本では、農家と言えばあまり優遇されない職業だが、こちらでは昔から自信を持って胸をはれる職業だった。 カタラン人は、他人にすぐにはオープンにならない。それは自分の土地を守るために、簡単に他人のことを信用してはいけないということを、代々教えられてきたからだろう。だがカタラン人の友達を持つと一生の友達になると言われている。 僕はそのパジェスの長女(プビーリャ、と言う)と去年の7月に結婚したのだ。 プビーリャと言うのは、パジェスの家系に長男(エレウ)が生まれない場合、長女が婿と跡を継ぐという相続権のある地位をあらわしていて、それがしきたりになっていた。 もちろん、今、嫁も僕も農業を専業としているわけではないが、近未来そういうことになるかもしれない。 パジェスではコートかけがこんな感じです。 そういう農家へ最初に行ったのがもう10年前になるが(嫁の親との初対面)、ちょうど夏休みのキャンプ帰りだった。 知らない東洋人が現れたと思ったのだろう、その番犬に足を噛まれてしまったのだ。(これこそパジェスへようこその証)その傷を嫁のお母さんローザに手当てしてもらったのだが、キャンプでやったネイルアート(スーパーマンだったり動物の絵だったり)を爪に描いたままだったので、ローザはびっくり。 後で嫁にひきつった顔で言ったそうだ。 『ああいうのは日本では男性がするものなの』と。 何年後にそんな変な野郎が娘と結婚することになってしまったのだが、今では息子のように可愛がってくれている。 #
by tessins
| 2008-07-25 02:40
| カタルーニャの生活
前回紹介したジャウメとアルバが結婚した。今回の結婚式には185名が参加、多い場合には200名を超えることもある。
花婿と花嫁の写真。 午後5時ソルソーナの大聖堂で式をあげ、その後ソルソナーナからバス2台で約1時間程度の所にある、L’Estany Clarというミシュラン一つ星レストランへ。カーブ連続の道なので夕飯を食べる前に酔ってしまう人もいるのだ。僕も何も飲まない前から、ほろ酔いしてしまったのである。 夜9時30分からPica Pica(食事前のおつまみコース)。生ハム、海老のから揚げ、フォアグラ、鳥のから揚げ、タルタルステーキ、きのこリゾット、ガスパッチョ、ビシソワーズ、ホタルイカ揚げ、ミニハンバーガー、などなど。 はっきり言って、Pica Picaだけでお腹一杯になってしまうのだ。その後に、きちんと席へ座りフルコースが出るのだ。昼ご飯を控えめにしといたにも関わらず、全部食べ切れなかったのである。 カタラン人はそういう所では本気を発揮すると言うか、魚や肉をおかわりする人達もいたのだ。意地で食べていたと言う感じもしたが、まあとにかく量に関して言うと、カタルーニャに長く住んでいるといいながら、日本人の胃袋には無理があるのだ。 今夜のメニューは、 スープ タラの冷製スープ 前菜 アンコウと海老のブイヤベース メイン ウェリングトンのフィレ牛肉 デザート ウェディングケーキ 飲み物は、 白ワイン Mas Caballé (D.O. Penedès) 赤ワイン Abadal 3,9(D.O. Pla de Bages) カバ Jaume Codorniu (D.O. Penedès) 夕飯の後は、友達からのプレゼント(結婚ご祝儀)。 ジャウメは、救急隊員、アルバは、医者なので、自家製ミニ救急車の中に入った薬箱、注射器、手術用手袋の中にお金を入れたのである。 また、他の友達は、ダンボール箱にストローを何本も入れて、一本ずつのストローに紙幣が入っているという様子。 カタルーニャでは、お金をわざわざ細かくして(コインだけの場合もある)プレゼントすると言った事をするのである。もらったコインをいちいち銀行へ行き、また変えてもらうといった事をするのだ。これは花婿、花嫁に結婚してこれからも苦労するぞといった意味が含まれているそうだ。 ちなみに僕と嫁さんの結婚式の時は、どうやって入ったのか知らないが我々の住居にコインがばらまかれていた。披露宴の場では、ホウキとチリトリをプレゼントしてくれたのだが、その場では何の意味が含まれているのか理解出来なかったが、家について理解出来たのだった。ひどい事に便器の中、冷凍庫の中、本の中、マヨネーズ瓶の中などにもコインが入っているのだ。全部集めるのに1週間位かっかたのを覚えている。 その後は、レストランのホールがダンシングフロアーとなり、DJが入る。 朝の5時半までレストランがクラブとなり、飲み物も全部フリーとなるので皆なはじけてしまうのである。 花嫁もはじけて、ドレスもこんなに汚れてしまうのである。 そして、恐ろしい帰り道。フリードリンクで飲みすぎた人達用にバスの中に入ると直ぐに吐き袋が配られる。10分もしない内に一人目、また10分立つと二人目といった具合なのだ。 結局ソルソーナに到着したのが朝の7時。『じゃあ何処かで朝ごはんを食べに行こうか』と言う声もあったが、我々は疲れ果てていた為、家へと向かいドレスのまま寝てしまったのである。 #
by TessinS
| 2008-07-16 00:34
| カタルーニャの生活
こちらでは、東洋人をみると『チーノ』(中国人)と言う癖がある。それは、日本人、韓国人、中国人の区別がつかないからなのだ。日本人にしてみれば、『俺は日本人じゃ、失礼なやつだな』と思うが、日本でも外国の人は誰でも『外人』扱いするのと同じ事なのだ。
街中を歩いていると、子供達が手で目じりを横に引っ張り『チーノ、チーノ』と言ってくるのである。 ソルソーナに住みだした頃は大変コンプレックスをもったものだった。学校登校初日を思い出すが、ソルソーナに住む東洋人は我々が初めてだったので、周りのクラスの子供達までわざわざ僕のことを見にきたのだ。あの時は、『檻の中の猿』がどの様な心境なのかを悟ったのである。 遠足へ行っても他の学校の子供達に『チーノ、チーノ』と言われ、最終的にはコンプレックスとなってしまうのである。何かの用事でバルセロナへ行くたびに親が中華料理屋へつれて行くのだが、中国人と間違えられるのがいやで、中へ入るのにも抵抗があるといったような状況なのだ。 成長するとともに『チーノコンプレックス』も無くなっていき、今では、子供達が『チーノ、チーノ』と言ってくるとカタラン語でとっさに答える。彼達も早いリアクションには驚いてしまい口をポカーンと開け黙ってしまうのだ。 近頃きずいたのだが、『チーノ、チーノ』と言ってくる子供達は南米やモロッコ出身の子供達が多いのだ。彼達は移民者としてカタルーニャへ来ているので、多分学校でも当時の僕のように嫌な思いをしているのではないだろうか。そして、他の人種を見ると自然的に『チーノ、チーノ』と言う言葉が出てきてしまうのでは無いだろうか。 僕は若い彼達にも、いつかは『チーノコンプレックス』を乗り越えてくれたらなと思いながらコミュニケーションを取ろうとしているのである。 #
by TessinS
| 2008-07-10 18:10
| カタルーニャの生活
カタラン人によく言われる・聞かれることの中で面白い内容のものをまとめてみました。
1.『柔道とか空手はするんだろう?』日本人は誰もが柔道や空手をすると思っているのである。答えは、『もちろん全部黒帯だぜ!!』(うそ) 2.『日本人で太っている人っていないよね?』また『日本人ではげの人っていないよね』 あまり、見かけないからそういう考えを持つのである。 答えは『それは何処にでもいるでしょ』 3.『僕は日本語をちょっと喋るんだ、Yamaha, Sony, Honda, Toyota』 日本語になってないでしょ。。。 4.『日本人と中国人はどうやって区別するの?』東洋人というと皆同じように見えるそうだ。 ある人の説によると、 目がつり上がっているのが中国人 目が横に長いのが韓国人 目が下に下がっているのが日本人 答え『。。。。』 5.『日本にはナイフ・フォークって無いんだよね?』日本人は、はしだけしか使わないと思っている。答え『もちろんあります。』 6.『テッシンは何語で夢をみるんだ?』 答え『僕の夢は字幕スーパーでDolby Surroundの夢なんだ』 7.モロッコの友達に聞いた話。モロッコの小学校では『日本の小学生はいわしの缶ずめでラジオを作る』という伝説が流れているそうだ。『日本人の小学生に負けないように勉強をしろ』ということみたいです。 答え『そこまで言うか、先生』 8.『日本の首都って香港だよね?』 答え『惜しいけど、ちょっと違うかな。。。。』 とまだまだ、日本のことについてよく分かっていない人もいるのである。もちろん、日本通の人達はこの様な質問はしないが。これは、日本においても同じ事がいえると思う。例えば、日本でスペインといえばフラメンコと闘牛だが、カタルーニャではフランメンコや闘牛は全然人気が無いのだ。 つまり、遠ければ遠いほど国や地方の情報が入らないのだ。僕はこのギャップを埋めて行く事が出来たらなと思いながら、日々生活を送っているのである。 #
by TessinS
| 2008-07-07 19:15
| カタルーニャの生活
まあ、いちおうぼくも最初の日は、初日ということもあってウエストミンスター・カレッジに行ってみたんだけど、パンフレットの見出しには“クラスに入るには16才以上から29才以下まで”と書いてあったんだけど、ぼくはその日32才位の奴らしか見なかったと思うよ。まあ、そんな人達と6週間も過ごそうっていうんだから泣けてきちゃったよ。だってなんせぼくのおやじやおふくろと近い歳なんだぜっ。これにはさすがのぼくも参ったよ。
で,次の日なんかさっ、もっとひどかったよ。 ---あんなアホな日なんてのは、ぼくの人生の中にはけっこうあるんだけどさっ、まあロンドンのアホな日なんて書くのもいいと思ったんだ---, まあそれはこういうことだったんだ。 ロンドンに着いた次の日にウエストミンスター・カレッジまで行ったっていう所までは話したよね、で,その学校でクラスわけかなんかをするために試験をやったんだ。そうだよ、いつも試験だよ、君。いつもアホっぽい試験がぼくにつきまとうんだ。試験なんてこの社会の仕組みの“いとこ”みたいなものだよ、君。まあ、それはいいとして、ぼくもいちおうそのアホくさい試験をやったんだ。で、多分その時興奮してたんだと思うよ。 ぼくは興奮するとふざけるくせがあってね。なんせその時ふざけ出してたんだよ、ぼく。どうやってふざけてたかというとだよ、ボールペンで机をたたいたり、他の人の目をジロジロ見て、ぼくは君達より英語ができるんだぞ、なんて10世紀位前アメリカではやったようなヤボなしぐさをやっていたんだ。だけどだれもぼくのことを相手にしてくれなかったけどさっ でっ、試験なんかさっ,2番か3番目位に出しちゃってさっ、まあその時は“90点位は可能だ”なんて思ったりしてさ。次の日なんか上級クラスに行くつもりで,新しいボールペンなんかをどっかの古くさい本屋で買ってさっ、学校へ行ったら, 「君のレベルではどのクラスへも行けませんから、もしよかったらお金をお戻ししますよ」なんてオカマッぽい顔をした奴がボーイ・ソプラノな声でいうんだよ。その時は本当に奴さんの顔がオカマびているように見えたよ。本当。でっ、ぼくはとっさに未来のことかなにかを考え出しちゃってさ “ぼくはなんのためにロンドンへ来たんだ?”なんて、本当にあの時はあせったよ。だけどそのまま黙っていたらまあ、アホっぽいクラスへ入れてくれちゃったけどさっ。 イギリス人なんてのは、結構まぬけな生物達が多いんだ。なんせ島国だからね。島国にかぎって“伝統”なんて言葉を出して来やがるんだよ。この言葉にはぼくの細胞も自殺したくなっちゃうんじゃないかな。で、イギリス人なんてのはさっ“アッタカイビール”を昔から飲んでとか、交通は右側通行だとか、そんなので他のヨ-ロッパに通用すると思ってるから甘いよ,本当。言葉にしても同じだよ。 英語が今じゃ共通語だからって,奴っさん達、他の言葉を学ぼうとしないんだよ。そんなの人間の進歩を妨げるものじゃないかと思うな、ぼくは。だからってぼくが人種差別をしているわけじゃないんだ。 More #
by TessinS
| 2008-07-05 15:07
| 16歳の時の日記
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