カタルーニャ農家に嫁いだあっぱれ小僧 |
by TessinS
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次にリカルドの話をしようと思うんだ。リカルド っていうのは、しゃべる時に言葉と言葉の間にエ-ッって鼻に鼻水が溜まっているような声で話すんだ。いかにも自分はいい声を持ってるかって、感じなんだ。それでひどいのはさっ、それが受けてると思い込んでるところだよ。そいつは、ぼくが行ってる歯医者よりインチキだったね。このペテン歯医者のことも寄り道して話しておこうと思うんだ。だってぼくの歯医者のことを知っとかないと、こいつ(リカルド)のひどさがわからないだろうからね。
ある時、ぼくが友達のジョゼップ・パボンの家に招待されて、一度泊まりに行ったらさっ、甘いものばかりがでてきてさっ、チョコレ-ト・ド-ナツかなにかを砂糖4~5杯入りのココアなんかにつけて食うんだよ。ひでえもんだよ。でっ、そのジョゼップだけどそんなものを食った後でも歯磨き粉を指で歯にこすりつけるだけなんだ。歯を磨かないんだ。 「この頃シソ-ノ-ロ-でこうやることを歯医者に薦められてるんだ」なんて、キュッキュッやりながら言うんだよ。実は奴さん“ソルソーナの怪物”って言われてんだ。でっ、だれかが歯を汚くしているとだよ、奴はみのがさずに 「歯を磨けよ」なんて大声でほざきやがるんだよ。あの感じじゃ、奴さんいつも人の歯を見て歩いているんだと思うよ。一度なんかぼくの歯にもいちゃもんをつけてきてね。 、、、、、っていう事でここではけっこう歯医者が儲かるんだよ。でさ、ご他聞にもれず儲かっている奴達にかぎってインチキ野郎が多いんだ。ぼくの通っている歯医者もそんな中の一人だと思うね。ちょうど一年前ぼくのマヌケな奥歯が痛みだしてね。ソルソーナ一番という、この歯医者に行ったんだが、こいつの名前が人をよせつけない名前なんだ。ドクタ-・コレラっていって最初に行った時にはその先生に 「コレラ菌を持っているんですか?」なんてマヌケにも聞いちまってね。そしたら奴さん気を悪くしちゃってさ、ぼくに悪印象を持ちはじめちゃったんだよ。その時からいつもそこにいく時には 「君の歯はもう大分手遅れだから神経をとろうね」ってサディスティックに、鼻にかかったスペイン人がしゃべるカタルーニャ語で言うんだよ。たとえ前に神経をとってしまった歯にでもだよ。ヤバイんだよ、このやぶ医者ったら。--うらみをはらすのに自分の職業を利用してるって感じだったな--第一にこのチャルネゴ っていうのはカタル-ニャに住んでいてカタル-ニャ語をはなすスペイン人で,もとはカスティ-リャ語をはなす人なんだけど、前にも言ったように、ひでえカタル-ニャ語をしゃべるんだよ---- 人が歯医者の所へ来ると絶対にコマネウ=お元気ですか?なんて、心では絶対に思っていないことを言うんだよ。元気だったら歯医者になんて来ていないと思うんだけどさっ。評判を保つためにはそんなことをやらかさないとだめなんだよ、この社会では。それでもこのコレラ氏は好きでそういうことを言っていたっていう感じだったな。なんせ人に盛大な握手まで求めるんだからな,ひでえもんだよ。でっ、つぎにそのチャルネゴがやることといったら麻酔をかけるんだ。どんなマヌケな奴の歯にも麻酔をかけるんだ。奴さんが飼ってる金魚の歯にも麻酔をかけるといったような感じだと思うな。キット。--言ってなかったけど、奴さん金魚マニアなんだ-- なんで麻酔をかけるというとだね、自分のミスを相手にわからせないためなんだと思うな、多分。でっ、奴さんがつめる銀歯っていうのもひでえもんだよ。一時間もするとポロポロ落ち出してきちゃうんだ。 で、話をもどすけどリカルドって奴はこの歯医者よりイカサマなんだから、わかると思うけど?そのインチキ野郎が歴史と哲学をぼくに教えてるっていうんだから笑っちまうよ、本当。 だけど哲学を学校で勉強するなんてのはひどいもんだよ、一時間も。まだ一時間クシャミを我慢してたほうがいいよ。第一に哲学なんてのを勉強するのに、哲学の歴史なんてのを勉強しだすんだから参るよ。でっ、どういうことを教えるかっていうとだよ、“ギリシャ時代にソクラテスの弟子プラトンが最初の学校を作った” なんてつまり学校のひいおじいちゃんみたいなものを作り上げたなんていう奴の話は、生徒達にプラトンに恨みを持て、なんて言ってるのと同じじゃないか。そういうことを先生達ってのはやり遂げるんだから参るよ。まあ現在の学校で教える哲学なんてのはそんなところさ。 今年はグリフェィユっていう先生が担任なんだ。グリフェィユっていうのはけっこうユ-モアがある奴でね。高校2年生の先生なんだけど、“力”についての授業をしている時、“力”を説明するのに黒板にトナカイの絵、しかもその上にサンタクロ-スなんかのっているのをかきはじめるんだよ。なんで“力”か全然わかんないんだよ。その他にも奴さんはいつもどこか変なんだ。たとえばセ-タ-を逆に着ていたりするんだ。いつか“クリス・クロス(アメリカの歌手)”みたいにズボンを逆にはいてきてもおかしくないと思うよ。でもここまではふつうの話に聞こえるかもしれないけど、ここからはきっと作り話と思うかもしれないけど、実は本当の話なんだ。 彼は化学・物理の先生なんだけど結婚してるんだ。結婚してちゃ悪いなんて言ってないんだけど、そんなズボンを逆にはいていたら誰もそいつと結婚したくなくなると思うんだ。でっその奥さんっていうのもけっこうおかしい奴でね、その奥さんも同じ高校で先生をやってるんだ。化学・物理じゃなくて、スペイン語の先生なんだ。生徒たちは“ブルドッグ " っていう名前をつけてるんだけど、本当にその通りなんだ。あのウスタ-ソ-スのマ-クのブルドッグとそっくりなんだよ。ま夜中あの顔を見たら怖いと思うよ、ハッキリ言って。でっ、その二人が学校の廊下とかであうと大変なんだよ。そのブルドッグがクリス・クロスに「ダ-リン、セ-タ-反対に着てるわよ」なんていうようなたちの言葉をあびせるんだ。そうすると、そのグリフェィユの奴がちゃんと言われたとうりのことをしやがるんだ。 「あ、まちがった!」なんていいながらさっ。一度なんか校長の前でセ-タ-をかえたんだよ。ひでえんもんだよ。笑っちゃうよね。 と一応ここでカタルーニャの学校編は終了です。お疲れです。
by tessins
| 2008-10-13 17:31
| 16歳の時の日記
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