人気ブログランキング | 話題のタグを見る

カタルーニャ農家に嫁いだあっぱれ小僧


スペインカタルーニャでのあっぱれ小僧の観察日誌。あっぱれ小僧が観察しているカタルーニャをKen Officeがご案内しています(旅行、通訳・翻訳、文化交流など)。        tessin@ken-sano.com
by TessinS
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
ここをクリックして頂くと応援になります。
人気ブログランキングへ

カタルーニャに興味がある人は、こちら。
Ken Office S.L.のサイトへ

カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ

カタルーニャのパジェス(農家)

カタルーニャでパジェスと言えば、昔から代々継続している伝統で、一つのすぐれた文化と言えると思う。
昔からカタルーニャには、長男(エレウ、と言う)が農家や所有地を継ぐといったシステムがあった。他方スペイン各地にはそれぞれ色々なシステムが導入されていて、たとえばガリシア地方へ行くと土地を息子、娘の頭数で分配していくといった具合だ。
長男=エレウが継ぐカタルーニャでは結果として土地の分割が無いわけで、大土地を所有する家系が守られることになる。
その大地主独立農家が<パジェス>といわれるものだ。
カタルーニャのパジェス(農家)_b0144985_2285032.jpg

彼達にどれ位の土地を持っているかと聞くと、『山一つか二つ』とかいう答えがかえってくる。
カタルーニャ自治体の大統領なども、実家がパジェスという場合が多いように、パジェス達が今までのカタルーニャを築きあげてきたのだ。
カタルーニャ文化は、パジェス文化、といってもおかしくないのだ。
日本では、農家と言えばあまり優遇されない職業だが、こちらでは昔から自信を持って胸をはれる職業だった。
カタラン人は、他人にすぐにはオープンにならない。それは自分の土地を守るために、簡単に他人のことを信用してはいけないということを、代々教えられてきたからだろう。だがカタラン人の友達を持つと一生の友達になると言われている。
カタルーニャのパジェス(農家)_b0144985_2352282.jpg


僕はそのパジェスの長女(プビーリャ、と言う)と去年の7月に結婚したのだ。
プビーリャと言うのは、パジェスの家系に長男(エレウ)が生まれない場合、長女が婿と跡を継ぐという相続権のある地位をあらわしていて、それがしきたりになっていた。

もちろん、今、嫁も僕も農業を専業としているわけではないが、近未来そういうことになるかもしれない。
カタルーニャのパジェス(農家)_b0144985_2392110.jpg

パジェスではコートかけがこんな感じです。

そういう農家へ最初に行ったのがもう10年前になるが(嫁の親との初対面)、ちょうど夏休みのキャンプ帰りだった。
知らない東洋人が現れたと思ったのだろう、その番犬に足を噛まれてしまったのだ。(これこそパジェスへようこその証)その傷を嫁のお母さんローザに手当てしてもらったのだが、キャンプでやったネイルアート(スーパーマンだったり動物の絵だったり)を爪に描いたままだったので、ローザはびっくり。
後で嫁にひきつった顔で言ったそうだ。
『ああいうのは日本では男性がするものなの』と。

何年後にそんな変な野郎が娘と結婚することになってしまったのだが、今では息子のように可愛がってくれている。
by tessins | 2008-07-25 02:40 | カタルーニャの生活
<< サンチャゴの巡礼道 Casament·結婚式 >>


ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧