カタルーニャ農家に嫁いだあっぱれ小僧 |
by TessinS
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でっ、そのホテルか監獄かわからないような所から出たんだけど、外が朝の7:00だというのにけっこう寒くてね。耳とか手がちょう冷えちまってね、なぜか知らないけどぼくは、1km位離れている駅まで走って行こうと思ったんだけど、大きいリュックがけっこうじゃましてね、走るたびにぼくの肩をいためるんだよ。結局ぼくは走るのをやめたけど、体はけっこうあったかくなったんだ、本当だよ。その時ぼくは登山家達ってのは山を一人で歩いている時、こんな感じがするんだろうななんて考えていたんだ。
まあそんな事をしているうちにさびれた駅についたんだ。だけど“幸運”にもそこで一時間位待たなきゃいけなかたんだ、なんせそこはピレネー山脈の山の駅だよ、考えてもみなよ。でっ、また寒くなってきてしまったkら、風がスースー通る待合室に入ろうと思ったんだけど、中に2~3人位真っ暗な中で寝ていやがるんだよ、ひでえったらありゃしないよ。結局ぼくは外で待たなきゃいけなくなったんだけど、中で待っても外で待っても、どっちにしろ寒いことには変わりはなかったと思うけどね、多分。 もうこごえ死にそうな時になってやっと汽車が来たんだ、で、きっぷとかどこで買えばいいのかなと思って車掌に聞いてみたんだけど 「後できっぷ代をはらってくれればいいよ」って言ってのせてくれたんだ。結局電車代なんかはらわなかったんだ、なんせ車掌がきっぷを見にこなかったんだよ。SNCFっていうのはよくできてると思ったよ、その時。でもきっぷを持っていなかったから席に座っちゃまずいと思って、車両と車両の間に立っていたんだけどひどくゆれやがってね、その上に、同じよう名ことを ――つまりリュックをしょってただで汽車にのってるようなことだけどさっ―― してる奴らからジロジロ見られてね、次の駅に着いた時にはもう“ゲロ”がのどもとまで逆流しちまったんだけどさっ、結局ははかなかったんだけどさ、もう一生ああいう所には乗りたくないね、願えれば。そんなことをしているうちにマヌケな駅で汽車が止まっちまってね、そこが」終点だって言うんだ。またそこで一時間待ったんだ。山と山の間の小さい駅で、ラ・トゥール・デ・キャロルって言うんだけどさっ、人が全然いないのったらありゃしないのって、ひでえもんだよ。全然だよ。でっ、やっと、座り疲れてケツが痛くなった頃になって汽車がきたんだけど、けっこうこの汽車がよくてね。トロッコかなんかがついてるんだ。山の中のきれいな景色とかを見るために、一車両か二車両かをOpen(屋根をはずして)に改良してあるんだ。天気とかがよければ気持ちがいいんだけど、天気のやろうが悪いとひどいんだよ。 で、こういうトロッコとかにってのはいつも子供がいるんだな ――その時もフランスの子供達がいてね、南フランスの畑で働いているパジェスなんかに手を振ってるんだな、君にもみせてやりたかったよ。第一に、そういうトロッコとかっていうのは人をやさしくさせるんだな、本当だよ。例えば、税金をのがれるためにワリショーなんかを利用してる奴をトロッコなんかに乗せてみると、キット鼻水を出してるような奴とか、鳥のウンチのかかったカカシにだって手を振ると思うね、絶対だよ。 まあ、そんなトロッコにぼくも乗ってペルピニャンに向ったんだ。その間がすごく長くてね。5時間か6時間もかかったんだけど。そういう時ってのは、なんにもやることがなくても、あんまりあきないんだ、ぼくの場合は、本当なんだ。例えば隣に座ってるおばさんの読んでる本やなんかの題名かなんかを見たりしてるんだ。で、そのあばさんが急に立ち上がって ――そういう時にかぎって、急に立ち上がると、周りの人をびっくりさせるんだよ―― バッグから昼ごはん用のサンドイッチとかリンゴとかを取り出して食いだすんだな。こういうのを見てるのは、けっこうあきるもんじゃないよ。だけどさっ、ひどいことにそのサンドイッチを見て、なんか乏しい気持ちになったんだ。70歳位のおばさんがだよ、一人でさびたれた汽車の中で寂しい本 ――内容はさびしいか、さびしくないかわからないけど、外からは寂しいように見えたよ。本の端やカバーが、腰が曲がってるって感じで古ぼけていやがるんだよ。このあばさんが生まれた日にプレゼントされたっていう代物じゃないかな、キット―― を読みながら、誰が作ったかもわからないようなサンドイッチを食ってんだよ。で、その古びれた汽車でどこに行くのかもわからないような感じなんだ。多分、自分の家か、娘の家に行くんだろうけれど、そんな所に行ってもじゃま扱いされんじゃないかな、といったような顔をしてんだよ。ああいうのを見るとぼくは本当に悲しくなっちゃうんだ。 、、、、、、、っていう風に考えていくと、あきることができないのももっともだと思うんだ。 そんなことをしているうちに、そのあばさんもおりちゃって、景色も少しずつ山の景色から町の景へと変わっていったんだ。地図を持っていなかったからペルピニャンまであとどれぐらいあるのかはわからなかったんだ。だから車内放送に気をつけていたら“ペルピニャン”っていう言葉が聞こえたから ――フランス語はカタルーニャ語に似てるんだけど、発音が全然ちがっていてね、書いてあるものならなんとかわかるんだけど、その車内放送は“ペルピニャン”を聞き取るのに精一杯だったね―― 下りる用意をしてから下りて駅名表示を見たら“ペルピニャン”なんて書いてないんだ。おかしいなと思って近くを歩いていたおっさんに 「ここはペルピニャンですか?」って、カタルーニャ語で聞いたら、わかんなさそうな顔をしたから、今度は英語で聞き直したら、 「Next! Next!」って答えたんだ。あわてちゃってさっ、またさっきの汽車に乗り込んだんだけど、前まで座っていた席がもう他の人に取られてしまっていたんだ。で、しょうがないからまた車両と車両の間に立っていたんだけど、今度は短い区間だったからゆれても、はきたくなんなくてよかったんだよ。 ペルピニャンからは、もうすぐそこがスペインだろ、よく知ってる所だし、あとは簡単にこられたよ。 ほんの短い一人旅だったけれど、けっこうおもしろいこともあっていろいろ考えさせられることは多かったよ。君もこんどやってみるといいと思うよ。 南フランス一人旅編は終了です。
by tessins
| 2008-11-11 17:56
| 16歳の時の日記
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